「たしざんはできるようになったのに、ひきざん、しかも『くり下がり』が入ったとたんに手が止まってしまう……」。わが家の子どもも小学1年生の秋ごろ、まさにこの壁にぶつかりました。「13-7」のような問題を前にフリーズしてしまい、指を折っては数え直し、時間ばかりかかって自信をなくしていく姿を見て、親としても「どう教えたらいいのだろう」と悩んだのを覚えています。
でも大丈夫です。くり下がりのあるひきざんは、コツさえつかめば「あ、そういうことか!」とスッキリ理解できる単元でもあります。この記事では、私自身の子育て経験も交えながら、つまずきの原因から具体的な解き方、家庭でできる声かけ・練習法まで、この1記事で最後まで解決できるようにまとめました。
なお、「そもそもひきざん自体がまだ不安…」という場合は、まず基礎からおさらいするのがおすすめです。まずはひきざんの基礎から確認したい方はこちらを先にご覧いただくと、この記事の内容がより理解しやすくなります。
くり下がりのあるひきざんとは?なぜここでつまずくのか

「くり下がりのあるひきざん」とは、一の位だけでは引き算ができず、十の位から1つ借りてくる必要がある計算のことです。小学1年生の算数のなかでも、多くのお子さんがつまずく最初の大きな壁といわれています。
基本の考え方(例:13-7)
「13-7」を例に考えてみましょう。一の位だけを見ると「3-7」となり、そのままでは引けません。そこで13を「10と3」に分けて、10のまとまりから7を引く、という発想が必要になります。
ここで登場するのが「10のまとまり」という考え方です。1年生のうちは数字だけで処理しようとするとつまずきやすいので、まずは「10といくつ」という感覚を土台にすることが大切です。
典型的なつまずきパターン
実際に子どもたちがつまずくポイントには、いくつか共通した傾向があります。下の表に、よくあるつまずきパターンとその背景をまとめました。
| つまずきパターン | 具体的な様子 | 背景にある原因 |
|---|---|---|
| 指を折って数える | 13-7を「13、12、11…」と1つずつ指で数える | 「10のまとまり」で考える発想がまだ身についていない |
| 大きい方から引いてしまう | 3-7を7-3と逆に計算し「4」と答えてしまう | 「引けないときは繰り下げる」というルールが未定着 |
| 時間がかかりすぎる | 1問に1分以上かかり、途中で集中が切れる | 暗算の型(減加法・減々法)がまだ自動化されていない |
| 答えを覚えようとする | 仕組みを理解せず、答えだけを丸暗記しようとする | 数の分解・合成の感覚が不足している |
わが家の場合は「大きい方から引いてしまう」パターンがしばらく続きました。本人は真剣に計算しているのに答えが合わない、という状態が続くと、子ども自身も「算数って難しい」と苦手意識を持ちやすくなります。ここで焦らず、仕組みからやさしく確認してあげることがとても大切だと感じました。
くり下がりをスッキリ理解する2つの解き方

くり下がりのあるひきざんには、大きく分けて「減加法」と「減々法」という2つの解き方があります。どちらも小学校の授業で扱われる正式な方法なので、お子さんの理解度に合わせて使い分けてあげると良いでしょう。
減加法「まず10からひく」
減加法は、被減数(引かれる数)を「10といくつ」に分け、まず10から引いてから、残りを足すという方法です。「13-7」を例に、手順を見てみましょう。
| ステップ | 計算内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 13を10と3に分ける | 「10のまとまり」を意識する |
| 2 | 10-7=3を計算する | まず10から7を引く |
| 3 | 3+3=6を計算する | 残った3と、ステップ2の答え3を足す |
| 4 | 答えは6 | 13-7=6 |
減加法は「10からいくつ引けるか」というシンプルな計算に落とし込めるため、10までの引き算(補数)がスムーズなお子さんには特に相性の良い方法です。
減々法「2回に分けてひく」
減々法は、引く数(減数)を「一の位で引ける分」と「残り」に分けて、2回に分けて引く方法です。同じく「13-7」で見てみましょう。
| ステップ | 計算内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 7を3と4に分ける | 一の位の3で引ける分と、残りに分ける |
| 2 | 13-3=10を計算する | まず一の位の3を引いて10にする |
| 3 | 10-4=6を計算する | 残りの4を10から引く |
| 4 | 答えは6 | 13-7=6 |
減々法は「まず一の位をきれいに0にする」という発想なので、たしざんのくり上がりで「10をつくる」感覚が身についているお子さんにはイメージしやすい方法です。もう1問、「15-8」でも確認してみましょう。減加法なら「15を10と5に分け、10-8=2、2+5=7」、減々法なら「8を5と3に分け、15-5=10、10-3=7」となり、どちらも答えは7になります。
どちらが正しい・優れているということはありません。お子さんが「自分はこっちのほうが分かりやすい」と感じる方法を、無理に矯正せず伸ばしてあげることが、結果的につまずきを早く抜け出すコツだと、私自身の経験からも感じています。
親子でできる!くり下がりの声かけ・練習法

ここからは、実際に家庭でどのように声をかけ、どう練習をサポートしていけばよいかをご紹介します。
具体的な声かけ例
くり下がりのあるひきざんを教えるとき、つい「なんで分からないの」「さっき教えたでしょう」と言いたくなる瞬間もあるかもしれませんね。でも、こうした声かけは子どもの自信を削いでしまうことがあります。代わりに、次のような声かけを意識してみてはいかがでしょうか。
| 場面 | 避けたい声かけ | おすすめの声かけ |
|---|---|---|
| 計算を間違えたとき | 「違うよ、なんでそうなるの」 | 「おしいね、ここでは10からいくつ借りたんだっけ?」 |
| 時間がかかっているとき | 「早くして、遅いよ」 | 「じっくり考えられてるね、10のまとまりを探してみようか」 |
| 正解できたとき | 「当たり前でしょ」 | 「その考え方、すごく分かりやすいね」 |
| やる気が出ないとき | 「じゃあもうやらなくていい」 | 「1問だけ一緒にやってみようか」 |
子どもは「できないこと」よりも「できないことを責められること」に傷つきやすいものです。間違えた瞬間こそ、仕組みを一緒に確認するチャンスだと捉えると、親子どちらにとっても気持ちが楽になるのではないでしょうか。
おはじき・ブロックを使った実践ステップ
数字だけで理解が難しいお子さんには、おはじきやブロック、あるいは家にあるボタンやお菓子など、目に見えるものを使った練習がとても効果的です。わが家でも、計算プリントの前に必ずこのステップを挟んでいました。
| ステップ | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | おはじきを13個並べ、10個と3個のまとまりに分ける | 「10といくつ」を目で見て理解する |
| 2 | 10個のまとまりから7個を取り除く | 減加法の「まず10から引く」を体感する |
| 3 | 残ったおはじきの数を数える(3個+3個=6個) | 答えの導き方を体で覚える |
| 4 | 同じ問題を数字だけで計算してみる | 具体物からの理解を数字に橋渡しする |
最初は毎回おはじきを使っていた子も、繰り返すうちに「頭の中でおはじきを思い浮かべる」ことができるようになり、自然と暗算に移行していきます。焦らず、この「見える化」のステップを飛ばさないことが、遠回りのようで実は一番の近道だと感じています。
こうした練習は、市販のドリルを買いに行かなくても、おうちで無理なく続けられるのが理想ですよね。そんなときに活用していただきたいのが「ドリランプリント」です。ドリランプリントは、学年ごとの学習プリントを無料でダウンロードできるサイトで、くり下がりのあるひきざんのような、つまずきやすい単元にしぼった練習プリントも豊富にそろっています。おはじきでの練習と紙のプリントを組み合わせることで、理解から定着までスムーズにつなげることができます。
それでもつまずくときに確認したい前提知識

減加法・減々法を教えても、なかなかスムーズにいかない場合は、その前の段階の理解でつまずいている可能性があります。焦って先に進めるより、一度立ち止まって前提知識を確認してあげましょう。
「10といくつ」の理解
くり下がりのあるひきざんは、「10といくつ」という数の分解・合成の感覚が土台になっています。この感覚があいまいなままだと、減加法も減々法も「なぜそう計算するのか」が腑に落ちず、丸暗記に頼るしかなくなってしまいます。10の分解に不安がある場合はこちらを参考に、まずは「10といくつ」の感覚を親子で楽しみながら育ててみてください。
たしざんのくり上がりとの関係
くり下がりのあるひきざんは、実はたしざんの「くり上がり」と表裏一体の関係にあります。くり上がりのあるたしざんで「10のまとまりをつくる」感覚が身についていると、くり下がりのひきざんでも「10のまとまりを崩す」感覚がスムーズに理解できることが多いです。たしざんのくり上がりと合わせて理解したい方はこちらもあわせてご覧いただくと、数の感覚がよりしっかりと身につくはずです。
ドリランプリントを使った練習の進め方

つまずきポイントが見えてきたら、あとは「型」を体に染み込ませるための反復練習です。ドリランプリントの算数プリントを使いながら、以下のように取り組み方を少しずつ変えていくと、無理なくステップアップできます。
- 最初は答えを急がず、「10といくつ」に分ける手順を声に出しながらゆっくり解いてみる
- 慣れてきたら、1日5分など短い時間を決めて、毎日少しずつ数問ずつ取り組む
- 減加法・減々法のどちらか、お子さんがやりやすいと感じる方法を中心に練習を重ねる
- スラスラ解けるようになってきたら、少しずつ取り組む問題数を増やしていく
同じプリントでも、取り組むペースや量をお子さんの理解度に合わせて調整してあげるだけで、無理なくステップアップしていけます。「今日は5分だけ」というスモールステップの積み重ねが、結果的に一番の近道になりますよ。
親子で解決!よくある質問(Q&A)

Q. 減加法と減々法、どちらを教えるべきですか?
A. どちらも学校で扱われる正式な方法なので、どちらが正解ということはありません。まずは両方を実際にやらせてみて、お子さんが「こっちのほうがしっくりくる」と感じる方を伸ばしてあげるのがおすすめです。無理に統一しようとせず、お子さんに選ばせてあげましょう。
Q. いつまでも指を使ってしまいます。やめさせたほうがいいですか?
A. 無理にやめさせる必要はありません。指を使うのは、頭の中でイメージするための大切な移行段階です。おはじきなどの具体物→指→暗算、と自然にステップアップしていくものなので、焦らず見守ってあげてください。ただし、指の数える速さが極端に遅い場合は、10のまとまりの理解に戻って確認してみましょう。
Q. 何度説明しても理解できないようです。どうすればいいですか?
A. 同じ説明を繰り返すよりも、説明の「切り口」を変えてみることをおすすめします。数字での説明が伝わらないなら、おはじきやブロックなどの具体物に戻る。それでも難しければ、さらに前の段階の「10といくつ」の理解からやり直す、というように、階段を1段ずつ下りるイメージで確認してみてください。焦りは禁物です。
Q. 家庭学習がうまくいかず、親子ともに疲れてしまいます。
A. とても大切な気づきだと思います。家庭学習は、長時間頑張ることよりも「毎日短時間でも続けること」のほうがずっと効果的です。1日5分のプリント1枚からでも十分ですし、うまくいかない日は思い切って休んでしまってもいいのではないでしょうか。
親子の関係がぎすぎすしてしまっては本末転倒です。頑張りすぎず、ドリランプリントのようなツールもうまく活用しながら、無理のないペースで続けていきましょう。
まとめ

くり下がりのあるひきざんは、小学1年生の算数における最初の大きな壁のひとつです。しかし、「10のまとまり」という考え方を少しずつ身につけていけば、減加法・減々法のどちらの方法でも、スッキリと理解しやすくなっていきます。
大切なのは、間違えたときに責めるのではなく、仕組みを一緒に確認してあげること。そして、おはじきなどの具体物からスタートし、焦らずスモールステップで進めていくことです。私自身、子どもと一緒に何度もつまずきながら、この単元を乗り越えてきました。同じように悩んでいる保護者の方も、決して一人ではありませんので、安心して取り組んでいただければと思います。
ぜひ今日から、ドリランプリントの無料プリントを活用して、親子で楽しみながらくり下がりのあるひきざんをマスターしていきましょう。まずは1枚、印刷して一緒に取り組んでみませんか。