小学2年生の算数で、多くのお子さんと保護者の方が最初にぶつかる大きな壁――それが「九九(かけ算)」ではないでしょうか。うちの子も2年生になったばかりの頃、「かけ算ってたし算と何が違うの?」と真顔で聞いてきて、どう説明したものか一瞬固まってしまったのを覚えています。
九九は、この先の算数・数学すべての土台になる大切な単元です。だからこそ「早く覚えさせなきゃ」と焦ってしまう保護者の方も多いのですが、実は焦りが一番の遠回りになることも少なくありません。この記事では、九九でつまずきやすいポイントを整理しながら、親子で無理なく楽しく九九をマスターしていくためのステップを、実際の子育て経験も交えてご紹介していきます。
小学2年生の算数全体の学習範囲や年間の学習の流れについては、以前の記事「小学2年生で習う算数の範囲とは?学習内容と家庭での教え方を解説」でも詳しくまとめていますので、九九以外の単元も含めて全体像をつかみたい方はあわせてご覧いただければと思います。
なぜ「九九(かけ算)」でつまずく子が多いのか

九九は小学2年生の算数の中でも特に「暗記」と「理解」の両方が求められる単元です。この二つがうまくかみ合わないと、子どもはどこかで必ずつまずいてしまいます。まずは、つまずきの原因を親としてしっかり把握しておきましょう。
かけ算の意味が実感できていない
九九のつまずきで一番多いのが、「かけ算がそもそも何を表しているのか」がピンときていないケースです。数字と記号だけを追いかけて丸暗記しようとすると、意味を理解しないまま暗唱するだけになってしまい、少しひねった問題が出た途端に手が止まってしまいます。
我が家でも、最初は「3×4」と「4×3」がなぜ同じ答えになるのか、娘は全く納得していませんでした。「答えが同じなら覚え方も適当でいいや」となってしまうと、後々の応用問題でつまずく原因になります。
覚える量の多さ・順番の壁
九九は1の段から9の段まで、合計81通りもの掛け算を覚える必要があります。大人からすると「たったこれだけ」と思ってしまいがちですが、子どもにとっては初めて経験する大量の暗記です。覚える順番や量の多さに圧倒されてしまい、途中で嫌になってしまう子も少なくありません。
特に、2年生の2学期は九九の学習が一気に進むため、学校の授業のペースに家庭学習が追いつかず、そのまま苦手意識だけが残ってしまうケースもよく見られます。
九九を始める前に押さえたい「かけ算の意味」

九九をただの暗記科目にしないためには、暗唱を始める前に「かけ算の意味」をしっかり体感させてあげることがとても大切です。ここを丁寧にやっておくと、後の暗記がぐっとスムーズになります。
「1つ分の数×いくつ分」の考え方
かけ算の基本は「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数」という考え方です。たとえば「1つの箱に3個ずつあめが入っている箱が4箱あるとき、あめは全部でいくつ?」という問題であれば、「3(1つ分)×4(いくつ分)=12」となります。
この「1つ分」と「いくつ分」を意識させることで、文章問題を読んだときに「これはかけ算の場面だ」と自分で気づけるようになります。ここが曖昧なまま九九だけ覚えてしまうと、文章問題になった途端に手が止まってしまう子が多いように感じます。
おはじき・ブロックで量感をつかむ
かけ算の意味を体感させるには、おはじきやブロック、あるいはおやつのお菓子などを使って、実際に「3個ずつ4つ分並べてみる」といった体験をさせるのがおすすめです。うちでは、おやつのラムネを使って「3個ずつのお皿を4枚作ってごらん」とやってみたところ、娘は自分で並べながら「あ、3が4回あるから12個だ!」と、まるで発見したかのように目を輝かせていました。
こうした具体物を使った体験は、教科書の説明を何度も読ませるよりもずっと記憶に残りやすいものです。時間がかかるように感じても、この段階を丁寧に踏むことが、結果的に九九の暗記をスムーズにする近道になります。
つまずきやすい九九とその乗り越え方(段別攻略)

九九は段によって覚えやすさが大きく異なります。ここでは段ごとの特徴とつまずきやすいポイント、その対策を整理してご紹介します。
2の段・5の段:規則性を使ってスムーズに
2の段と5の段は、九九の中でも比較的取り組みやすい段です。2の段は「答えが2ずつ増える」、5の段は「答えが0か5で終わる」というわかりやすい規則性があるため、最初の成功体験を積みやすい段でもあります。
九九の学習はここから始めることで、「かけ算って意外とできるかも」という自信につながります。最初のつまずきを防ぐためにも、まずはこの2段で「できた」という感覚を親子で味わっておくとよいのではないでしょうか。
3の段・4の段:つまずきやすいポイントと対策
3の段・4の段あたりから、答えの規則性が見えにくくなり、暗記の負担が一気に増えてきます。特に3×7や4×8のように、答えが二桁になり、しかも規則性で導きにくい組み合わせで止まってしまう子が多いようです。
この段階でつまずいたときは、無理に先に進まず、その日苦手だった数個の組み合わせだけを繰り返し練習するのがおすすめです。全部を一度に完璧にしようとせず、「今日はこの3つだけ」と的を絞ることで、子どもの負担感がぐっと軽くなります。
6〜9の段(特に7の段):語呂合わせ・九九表の活用
6の段から9の段は、九九の中でも最も覚えるのが難しいと言われる段です。中でも7の段は「しちいちがしち」「しちしちしじゅうく」のように読み方も複雑で、多くの子がここで足踏みをします。
この段階では、語呂合わせのリズムに頼るのがとても効果的です。「しちしにじゅうはち(7×4)」のようなリズムに乗せて、歌うように覚えることで、意味を考えずとも自然と口から出てくるようになります。うちの息子も7の段だけは1ヶ月近く苦戦しましたが、お風呂の中で親子で毎晩リズムに合わせて言い合ったところ、いつの間にかスラスラ言えるようになっていました。
| 段 | 特徴 | つまずきやすさ | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| 2・5の段 | 規則性がわかりやすい | 低い | 最初の成功体験づくりに最適 |
| 3・4の段 | 規則性がやや見えにくい | 中 | 苦手な組み合わせだけ反復 |
| 6・8・9の段 | 覚える量が多い | 高い | 九九表や語呂合わせを活用 |
| 7の段 | 読み方が複雑 | 最も高い | リズム・歌で暗唱練習 |
親子で楽しく覚えるステップガイド

九九は「勉強」として構えすぎると、子どもも保護者も疲れてしまいます。ここでは、日常の中に自然に取り入れられる、楽しく覚えるためのステップをご紹介します。
九九表を使った視覚的な覚え方
九九表を目に入りやすい場所(トイレやリビングの壁など)に貼っておくのは、昔からある方法ですが今でも十分効果的です。毎日何度も目にすることで、意識しなくても数字の並びが自然と頭に入っていきます。
九九表を使った練習と合わせて、繰り返し書いて解ける練習プリントを取り入れるのもおすすめです。dorirun.com(ドリランプリント)では、小学2年生の算数に対応した学習プリントを無料でダウンロードできますので、九九表とあわせて、書いて定着させる練習用としてぜひ活用してみてください。
小学2年生の算数プリント全般については「小学2年生の算数|無料で使える学習プリント」でも紹介していますので、九九以外の単元の復習にもあわせて活用いただけます。
歌・リズム・語呂合わせで楽しく暗唱
九九の暗唱には、独特のリズムに乗せて歌うように覚える方法が非常に効果的です。市販の九九の歌や、学校で配布される音源などを活用しながら、車の中やお風呂の中など、リラックスできる場面で繰り返し聞かせるのがおすすめです。
「勉強するぞ」と机に向かわせるより、生活の一部として自然に耳に入れる方が、子どもにとっては負担が少なく、結果的に定着も早いように感じます。
毎日5分の「九九タイム」の作り方
九九の暗記は、一気に詰め込むよりも、毎日短時間でコツコツ続ける方が定着しやすいものです。夕食前や寝る前など、決まったタイミングで「九九タイム」を5分だけ設けてみましょう。
我が家では、夕食の準備をしている間の5分間を「九九タイム」にして、子どもに1つの段を声に出して言ってもらうようにしていました。毎日同じ時間に短く繰り返すことで、無理なく習慣化でき、気づけば苦手だった段もすらすら言えるようになっていました。
おうちでのNG声かけ・OK声かけ

九九の練習中、保護者のちょっとした声かけが、子どものやる気を大きく左右します。ここでは意識しておきたい声かけのポイントをまとめます。
焦らせない、他の子と比べない
「まだ覚えられないの?」「お友達はもう全部言えるらしいよ」といった言葉は、たとえ励ますつもりであっても、子どもにとってはプレッシャーになってしまうことが多いようです。九九を覚えるスピードには個人差があって当然ですし、焦らせても覚えるスピードが上がるわけではありません。
むしろ「昨日より1個多く言えるようになったね」というように、その子自身の成長に目を向けた声かけの方が、結果的にやる気を引き出してくれるのではないでしょうか。
小さな「できた」を一緒に喜ぶ
九九は段階的に覚えていくものだからこそ、「1つの段が言えるようになった」「昨日間違えたところが今日は言えた」といった小さな達成を、そのつど一緒に喜んであげることが何より大切です。
うちの子は、5の段を初めて最後まで一人で言えたとき、こちらが思っていた以上に誇らしそうな顔をしていました。その小さな成功体験の積み重ねが、次の段への挑戦意欲につながっていくのだと、子育てを通して実感しています。
九九が定着したか確認するチェックリスト

九九が本当に身についているかどうかは、「順番に言えるかどうか」だけでは判断できません。以下のチェックリストを使って、段階的に定着度を確認してみましょう。
順番に言える/バラバラに言える/答えから逆算できる
九九の理解には段階があります。それぞれのレベルを意識しながら、焦らず一歩ずつ確認していくのがおすすめです。
| 定着レベル | 確認方法 | 目安の時期 |
|---|---|---|
| レベル1:順番に言える | 1の段から順番に暗唱できるか | 各段を習った直後 |
| レベル2:バラバラに言える | 「3×7は?」など、順不同で質問して即答できるか | 習ってから1〜2ヶ月後 |
| レベル3:答えから逆算できる | 「答えが24になる九九は?」と聞いて複数答えられるか | 全段を習い終えた後 |
- 1の段から9の段まで、順番に間違えずに言えるか
- ランダムに問題を出しても、5秒以内に答えられるか
- 文章問題を読んで、かけ算の場面だと自分で気づけるか
- 答えから逆に「何の段の九九か」を考えられるか
すべてが完璧にできる必要はありません。学年が上がるにつれて自然と定着していく部分も多いので、「今できているところ」に目を向けながら、気長に取り組んでいただければと思います。
まとめ:九九マスターへの近道は「毎日ちょっとずつ」

九九は小学2年生の算数における大きな山場ですが、正しい順番で、無理なく取り組めば、乗り越えやすくなります。まずはかけ算の意味をしっかり体感し、段ごとの特徴を踏まえながら、毎日少しずつ積み重ねていくことが、遠回りのようで実は一番の近道です。
焦らず、比べず、小さな「できた」を一緒に喜びながら進めていけば、気づいたときにはお子さんもすっかり九九マスターになっているはずです。九九の練習には、繰り返し書いて確認できるプリント教材を組み合わせるのもおすすめです。dorirun.com(ドリランプリント)では、小学2年生向けの算数プリントを無料でダウンロードできますので、ぜひ親子の九九タイムに取り入れてみてください。
今日からできる小さな一歩として、まずはお子さんと一緒に2の段からゆっくり声に出してみることから始めてみませんか。