小学5年生になると、漢字学習の景色がぐっと変わってきます。習う漢字は193字と、小学6年間の中でもトップクラスの量。しかも「険」「精」「貴」のように画数の多い字が急に増え、「対象・対照・対称」のような同音異義語も本格的に登場します。
わが家の子どもも、5年生になったとたん漢字ドリルの手が止まる時間が増えました。「なんか急に難しくなった」と本人がこぼしていたのを覚えています。
これは決してお子さんだけの悩みではありません。5年生の漢字には、これまでとは違う「壁」が2つ潜んでいるからなんです。
この記事では、5年生の漢字学習でつまずきやすいポイントを整理したうえで、「読み」「書き」それぞれの家庭学習法、そして5年生特有の壁である同音異義語と複雑な字形への対策を、具体的にご紹介します。子育ての先輩として、実際に試して手応えのあった方法を中心にお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
小学5年生の国語全体の学習範囲については、以前【小5国語】学習範囲と大人の一歩を踏み出す勉強法でも詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
小学5年生の漢字はここが難しい!つまずきポイント3つ

まずは、5年生の漢字がなぜ難しく感じられるのか、その理由を3つに整理してみましょう。理由が分かると、対策の見通しも立てやすくなるのではないでしょうか。
①193字は6年間トップクラスの水準。画数の多い字が急増
小学校で習う漢字(教育漢字)は、現在の学習指導要領では全部で1026字あります。学年ごとの内訳を見ると、5年生の193字がどれくらいのボリュームか分かります。
| 学年 | 配当漢字数 |
|---|---|
| 1年生 | 80字 |
| 2年生 | 160字 |
| 3年生 | 200字 |
| 4年生 | 202字 |
| 5年生 | 193字 |
| 6年生 | 191字 |
| 合計 | 1026字 |
数だけ見ると4年生の202字よりやや少なく感じるかもしれません。ですが、5年生の漢字は「険」「精」「貴」「逆」「証」「眼」「額」「織」のように、画数が多く形が複雑な字がぐっと増えるのが特徴です。
これまでのように「なんとなく形を覚える」だけでは太刀打ちしにくくなり、書き取りの正答率が下がりやすいタイミングでもあります。
②「対象・対照・対称」のような同音異義語が本格的に登場
5年生になると、同じ「たいしょう」でも意味の違う言葉がいくつも出てきます。「対象」「対照」「対称」はその代表例ですね。
読みだけを覚えていても、文章の中でどの漢字を使えばよいか分からなければ、テストで得点にはつながりません。これは5年生の漢字学習における大きな壁のひとつです。
③「権利」「判断」「貿易」など抽象的・概念的な熟語が主役に
5年生の漢字には、「権利」「判断」「貿易」「基準」「経営」など、社会科や実生活と結びついた抽象的な熟語が多く登場します。
これらは漢字そのものの難しさに加えて、「言葉の意味」自体を理解していないと使いこなせません。漢字学習が、語彙力・読解力とセットで問われる学年に入った、と考えるとよいかもしれませんね。
「読み」の力をつける家庭学習法
漢字学習の土台になるのは、やはり「読み」の力です。書けなくても読めれば文章の意味は取れますし、読める字は自然と書けるようにもなっていきます。
教科書の音読で新出漢字を拾い読みする習慣
毎日の宿題で出る教科書の音読、実はとても優秀な漢字学習の教材です。新しく習った漢字は、教科書の本文の中で何度も繰り返し登場します。
うちでは音読のときに「今日習った漢字、出てきたら教えて」と声をかけるようにしていました。ゲーム感覚で拾い読みするうちに、自然と読み方が定着していったように思います。
ニュース・新聞で「大人の言葉」に触れる
5年生の漢字には「貿易」「政治」「経営」など、ニュースでよく使われる言葉が多く含まれます。子ども向けニュース番組や新聞のこども面を、夕食時などに一緒に眺めてみるのもおすすめです。
「この字、この前習ったやつだ」という発見があると、子どもは意外と嬉しそうにするものです。学校の勉強と実生活がつながる瞬間は、漢字への苦手意識を減らすきっかけになるのではないでしょうか。
「書き」の力をつける家庭学習法
読めるようになった漢字を、正確に書けるようにする段階です。ここでいきなり何度も書き取りをさせると、かえって嫌がられてしまうことも多いので、段階を踏むのがコツです。
読む→なぞり書き→見て書く→思い出して書く の4段階
新しい漢字を身につけるときは、いきなり「書く」に入らず、次の4段階を意識すると定着しやすくなります。
- ①読む:まずは音読みと訓読み、熟語での使われ方を声に出して読む
- ②なぞり書き:お手本の字をなぞって、正しい形と筆順を体で覚える
- ③見て書く:お手本を見ながら、自分の手だけで書いてみる
- ④思い出して書く:お手本を隠し、記憶だけを頼りに書いてみる
④の段階でつまずいた字だけをもう一度①からやり直せば、無駄な反復練習を減らせます。全部の字を同じ回数練習させるより、ずっと効率的だと感じました。
毎日5分の「ミニテスト」習慣化
まとまった時間を取って一気に覚えようとすると、かえって忘れるのが早くなってしまいます。それよりも、毎日5分程度の短いミニテストを習慣にするほうが、記憶に長く残りやすいと言われています。
わが家では夕食前の5分間を「漢字タイム」と決めて、前日に間違えた字を中心に出題していました。最初は面倒くさがっていた子も、1週間もすると「今日の5問」を楽しみにするようになりましたよ。
こうした毎日の反復練習には、ドリル1冊を使い切ってしまう前に、繰り返し印刷して使える教材があると便利です。dorirun.com(ドリランプリント)では、学年別の学習プリントを無料でダウンロードでき、ミニテスト代わりに何度でも印刷して使うことができます。ぜひ活用してみてくださいね。
同音異義語を攻略する家庭学習法(小5特有)
ここからは、5年生ならではのつまずきポイントに絞って、具体的な対策を見ていきましょう。まずは同音異義語です。
意味の違いを短文・具体例で区別する
「対象・対照・対称」は、5年生の同音異義語の中でも特につまずきやすい組み合わせです。漢字単体で覚えようとせず、短い例文とセットで整理すると理解しやすくなります。
| 漢字 | 意味 | 例文・使い方 |
|---|---|---|
| 対象 | 行動や研究が向けられる相手・もの | アンケートの対象、対象年齢 |
| 対照 | 違いがはっきり分かるように比べること | 好対照、二つの意見を対照する |
| 対称 | つりあいがとれ、形が同じであること | 左右対称、点対称な図形 |
わが家では「対象は相手、対照はくらべる、対称はかたち」と、頭文字だけの短い合言葉で覚えさせていました。理屈で説明するより、この3語の意味さえ体に染みつけば、他の同音異義語にも応用が利くようになります。
間違えやすいペアを「セットで覚える」語彙ノート
同音異義語は、1つずつバラバラに覚えるより、間違えやすいペアをセットにしてノートにまとめると効果的です。ノートの見開き左に漢字と意味、右に短い例文を書くだけの簡単な形で十分です。
テスト前にはこのノートだけを見返せばよいので、復習の負担もぐっと減ります。子ども自身に「今日はどのペアで間違えたか」を書き足させると、自分の弱点を客観的に把握する練習にもなりますよ。
画数の多い複雑な字形を攻略する家庭学習法(小5特有)

続いて、もうひとつの壁である「画数の多い複雑な字形」への対策です。
パーツ(部品)に分解して覚える
画数の多い漢字は、一度に全体を覚えようとすると混乱しがちです。そこでおすすめなのが、漢字をいくつかのパーツに分解してから覚える方法です。
たとえば5年生で習う「識」という字は、次の3つのパーツに分けて考えることができます。
- ①ごんべん(言):「言葉」に関わる意味を持つパーツ
- ②音(立+日):音読みの手がかりにもなるパーツ
- ③戈(ほこづくり):形を整える右側のパーツ
「言葉を音で識別する」というイメージと結びつけて、パーツごとに順番に書く練習をすると、20画近い複雑な字でも「意外と書ける」という感覚が生まれてきます。うちの子も「険」の字を「阝(こざとへん)」と「右側のパーツ(検・験・剣にも共通する部分)」に分けて教えたところ、急にすらすら書けるようになったことがありました。
大きく書く→徐々に小さくして正確性を確認する練習法
複雑な字形は、最初から小さいマスに書かせると、線が重なって形が崩れやすくなります。まずはノートいっぱいに大きく書かせて、パーツの位置関係を体で覚えさせるのがおすすめです。
大きな字で正しく書けるようになったら、徐々にマスを小さくしていきます。最終的に教科書サイズの小さなマスでも正確に書ければ、テストでも崩れにくくなります。
焦って小さいマスから始めると、かえって「うまく書けない」という苦手意識だけが先に育ってしまいます。急がば回れ、というのは漢字練習にもよく当てはまるように思います。
漢字プリントの選び方・使い方

家庭学習を続けるうえで、市販のドリルだけでは「もう1回だけ練習したい字」に個別対応しにくいという悩みがあります。そんなときに役立つのが、必要な分だけ何度でも印刷できる無料プリントです。
プリントを選ぶときは、次の3つの視点で選ぶとお子さんに合った教材を見つけやすくなります。
- 今つまずいているポイント(読み・書き・同音異義語など)に合っているか
- 1回あたりの分量が、5分程度で終えられる無理のない量になっているか
- 間違えた問題だけを、繰り返し何度でも印刷できるか
小学4年生で学んだ202字の漢字とあわせて復習したい場合は、学年別に用意された漢字プリントを見比べながら進めるのもおすすめです。習ったはずの字を忘れていないか、さかのぼって確認する習慣をつけておくと、6年生以降の総復習もぐっと楽になりますよ。
親子で解決!よくある質問(Q&A)

Q1. 193字のうち、特に間違えやすい漢字はありますか?
「険・精・貴・逆・証・眼・額・織」のように画数が多く形の似たパーツを含む字は、多くのお子さんがつまずきやすい傾向にあります。また「務める」(5年生で習う字)は、4年生で習う「努める」・6年生で習う「勤める」と訓読みが同じで意味が違うため、学年が上がるにつれて書き分けに苦労するお子さんが多いポイントです。
Q2. 同音異義語はどのくらい出てきますか?
「対象・対照・対称」以外にも、「規程・規定」「保証・保障・補償」など、5年生から6年生にかけて同音異義語がぐっと増えていきます。1つずつ丁寧に意味を確認する習慣が、後々の作文や読解にも役立ちます。
Q3. 漢字練習が続かない子にはどうすればいいですか?
一度にたくさん練習させようとすると、かえって嫌がられてしまうことが多いです。1回5分・5問程度の「ミニテスト」を毎日続けるほうが、無理なく習慣化しやすいのではないでしょうか。
Q4. 学校の宿題だけで十分でしょうか?
学校の漢字学習だけでも基礎は身につきますが、193字という量を考えると、忘れかけた頃にもう一度復習する「間隔をあけた反復」が定着には効果的と言われています。ご家庭でのちょっとした復習を組み合わせてみてくださいね。
Q5. 6年生に向けてどうつなげていけばいいですか?
6年生では191字の漢字を学びますが、それに加えて5年生までの漢字の総復習が入試や中学進学の土台になります。今のうちに苦手な字を見える化しておくと、6年生での総復習がぐっとスムーズになりますよ。
まとめ

小学5年生の漢字193字は、量そのものに加えて「同音異義語」「画数の多い複雑な字形」という2つの壁が重なる学年です。だからこそ、つまずいて当然だとまずは受け止めてあげることが大切かもしれません。
読みは音読やニュースを通じて日常の中に取り入れ、書きは「読む→なぞり書き→見て書く→思い出して書く」の4段階で無理なく積み上げていきましょう。同音異義語は短文とセットで、複雑な字形はパーツに分解して覚えるのがおすすめです。
毎日たった5分の積み重ねでも、1年間続ければ大きな差になります。dorirun.com(ドリランプリント)では、そんな毎日の反復練習に使える学習プリントを無料でダウンロードできますので、ぜひお子さんに合った1枚を見つけて、今日から気軽に試してみてくださいね。